東京農業アカデミー 八王子研修農場

卒業生インタビュー

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第2期生
(2021年度)

鈴木 翔さん

就農地:日野市

栽培作物

コマツナ

技術面・経営面の両方で、アカデミーに行って良かったと感じることはなんですか?

農業経験ゼロの私が、作物の生産から経営まで、農業を営むために必要な知識を一から得ることができました。東京農業アカデミーでは施設内での研修に加えて、農家派遣研修も充実しています。一日だけの単発的な研修と10日間程度訪問する研修などがあり、2年間で20軒ほどの農家を訪れて、畑で作業をしたり経営についての話を聞いたりできました。実際に畑に行くと、農家によって栽培管理の手法も販売方法も本当にさまざまで、地域に合ったやり方をすることが大切だと感じました。
アカデミーでは基本的には慣行栽培と呼ばれる一般的な栽培手法を学びますが、農家派遣研修で有機栽培に取り組む農家に行って、有機の手法を学ぶ機会もありました。私の場合、就農場所が住宅街にあるので、有機栽培の手法も取り入れて、周辺環境に配慮した栽培をしていきたいと思っています。

ライフスタイルに何か変化はありましたか。

早起きになりました。今はコマツナをメインに生産し、地域の学校給食に出荷していて、出荷時間に合わせて5時に起きています。一日の流れとしては、早朝5時半に配達に行き、家に帰って朝食、その後午前中に翌日分の収穫と荷造りを終えます。午後は、は種やほ場の管理業務という感じです。

同期メンバーやアカデミーにいた事で出会えた農業関係者とその後も情報共有をしていますか?その後ご自身の人脈につながっていますか?

研修先だった農家の方とは出荷先が同じということもあり、就農後もいろいろと情報交換をさせてもらっています。アカデミーでは、就農予定地域の農家に研修に行くことが多く、就農後の相談にものってもらいやすくて助かっています。私が就農した日野の農家の方々は皆さん親切で、温かく受け入れてくださっています。
アカデミーの同期とは5人それぞれに違った理念があって、切磋琢磨(せっさたくま)しながら研修期間を過ごせました。就農した今、卒業生のLINEグループをつくってときどき連絡を取り合っています。つくる作物も栽培手法も違いますが、私はいい意味でライバルだと思っています。

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農地やハウスなどの施設はどのように確保されましたか?

農地はアカデミーから紹介してもらいました。アカデミーの担当者と一緒に地主さんとの面談に行き、アカデミーの取り組みや地元で新規就農を希望していることを伝え、スムーズに農地の確保が進みました。行政が主導しているアカデミーだからこそ、信頼してもらえたのだと思います。最初の面談後は、定期的に畑に足を運んで、一緒に作業するなどしてコミュニケーションを取りました。借り受けた畑が地主さんの家の前ということもあり、今もほぼ毎日顔を合わせています。

アカデミー卒の新規就農者として営農を開始したところですが、現在の状況(良いこと・悪いことなど)を教えてください。

今は学校給食用のコマツナを生産しています。需要が供給を上回る状況で、できた作物を全量出荷できています。営業活動の必要がなく生産に集中できるのでありがたいです。
苦労を感じたことは、研修農地と実際の畑の違いですね。アカデミーの2年目には自分で作成した管理計画に基づいて、個々に畑を管理していました。そのときの経験をもとに、借り受けた農地での生産をスタートしましたが、実際の畑では使える資材や農薬が限られ、病気が出たり、雑草が多く生えたりして同じようにはいきません。畑の特性と状況に合わせた管理手法を模索中です。

今後の農業経営の目標や抱負などを教えてください。

東京の農地は年々減少傾向にあり、農業を次世代につなぐには後継者の育成が欠かせません。目指すのは、少ない初期投資と最小限の労働力、狭い農地でも収益が上がるビジネスモデルの確立です。コマツナなら、連作が可能で1年中栽培でき、狭い面積の露地栽培でも始めやすいです。新規就農する人がチャレンジできるビジネスモデルを実証して、東京で就農する仲間を増やしていければと思っています。

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