東京農業アカデミー 八王子研修農場

卒業生インタビュー

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第4期生
(2023年度)

横山 遼さん

就農地:武蔵村山市

栽培作物

小玉スイカ、キャベツ、ブロッコリー、ネギ、カボチャ、ズッキーニ

アカデミーに行って良かったと感じることはなんですか?

1年次は年間で二十数品目を栽培し、2年次には自分が将来的にやっていきたい作物に取り組みました。広い範囲で基礎から栽培技術を学べたことが大きかったと感じています。おかげで、現在いろいろな作物にチャレンジできています。

経営面では、各分野の専門家の講義を受けられて、数字の見方や経営理念の策定などが役に立っています。
アカデミーに入講するまでは経営理念は不要だと思っていたのですが、自分が何のために農業をするのか、農業のどういうところに興味をもっているのかというところを深掘りできたことがよかったと思います。

同期メンバーやアカデミーにいた事で出会えた農業関係者とその後も情報共有をしていますか?その後ご自身の人脈につながっていますか?

頻繁に連絡を取り合っています。メッセージアプリのグループでのやりとりや、対面で会うこともよくあります。
3期生の先輩、同期のメンバーとは共同で出荷しているところがあるので、ほぼ毎日のように連絡を取り合っています。
卒業後も指導員さんには、この状態には肥料や農薬のどれが適切か、といったことなどを相談させていただいています。
就農後も、同期や先輩たちと密な付き合いができるのもアカデミーのいいところです。

派遣研修でお世話になった農家さんはずっと気にかけてくださって、わからないことがあればすぐに質問できる関係性を築けました。畑で作業をしていると「こういうふうにした方がいいんじゃないか」というアドバイスをいただきます。

農地やハウスなどの施設はどのように確保されましたか?

現在借りている農地は地元農家さん・農地中間管理機構からのご紹介です。
ハウスは現在、育苗用として使用しています。インターネットで中古のハウスを見つけて購入しました。アカデミーでハウスの建設研修を受けていたため、設計や必要な工具・資材の準備は自分で行い、組み立て作業のうち一人では難しい工程は、同期に手伝ってもらいました。

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1日の作業スケジュールを教えてください。

季節によって変動がありますが、畑で栽培管理をする日と、収穫・出荷調整して納品に行く日に分かれています。
栽培管理の日は朝5時から畑に出て、夜8時ごろまで作業します。出荷がある日は、朝から収穫してお昼過ぎまで袋詰めの作業をし、少しだけ畑の管理をして夕方から納品しています。出荷の前日夕方に収穫作業を行うこともあります。
販路は、区内のスーパー、地域周辺の直売所と市内の学校給食です。

アカデミー卒の新規就農者として営農を開始したところですが、現在の状況(良いこと・課題など)を教えてください。

現在感じている課題は、大きく2つあります。1つ目は栽培技術の面です。お借りしている畑の環境が、畑ごとに異なるため、その環境に応じて栽培を行うことに苦戦しています。水が溜まりやすい、乾燥しやすい、風が強く吹く場所など畑ごとに特徴があります。

実際に育ててみるまで分からなかった部分もあり、最初に植えた作物の中には病気が出てしまったものや、肥料が十分でなかったために生育が思わしくなく、収量が半分ほどにとどまった畑もありました。ただ、作物や肥料の選び方を工夫することで、こうした課題は少しずつ克服できるのではないかと考えています。

2つ目は作業効率です。栽培から収穫、袋詰め、配達までを一人で行っているため、どうしても時間が不足しがちです。特に配達にかかる時間が大きいため、今後は出荷先の見直しも含めて、効率的な体制を検討していきたいと考えています。

今後の農業経営の目標や抱負などを教えてください。

栽培技術を高め、品質のそろった作物を安定して育てられるようになれば、作業効率の向上にもつながります。そうした体制が整えば、今後は少しずつ畑の規模を拡大していきたいと考えています。

この地域でも、今後農業の担い手不足が進んでいくことが予想されます。だからこそ、自分ができることを積み重ねながら、次の世代へとつなげていけるよう努力していきたいと思っています。
農業は「守られるべき弱い産業」と見られがちですが、実際にはさまざまな工夫や知恵によって、しっかりと経営を成立させている農家がたくさんいます。そうした農業の面白さや可能性を、多くの人に伝えていけたらと考えています。

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