第3期生
(就農2年目)
中村しのぶさん
就農地:八王子市
| 栽培作物 |
パッションフルーツ、ニンジン、ピーマン、インゲン、ジャガイモ、ノラボウ菜、タマネギ、ナス、ラディッシュ、ミニダイコン |
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当初はパッションフルーツを主力にしたいと考えていました。2年目には栽培面積を増やしたのですが、管理が追い付かずに品質面での課題が見えてきました。そこで、当面は経営を安定させるために野菜を増やして収入を安定させることにしました。
基本的に一人で作業しています。収穫などで人手が足りないときは、両親や親戚、友人、知人に手伝ってもらっています。
将来的には、障害福祉サービスの就労継続支援B型の活用を考えていますが、まだ受け入れ体制が整っておりません。
同期や農業関係者とのグループチャット、アカデミーのOB会などを通じて、日頃から情報交換を続けています。
同じ年に新規就農した人たちと話す機会も多いのですが、アカデミー卒業生以外の皆さんは困ったことがあったときにどこに相談すればいいのかわからないという声をよく聞きます。アカデミーを修了したことで人脈が広がり、相談できる環境がある自分たちは恵まれていると感じています。
自分ではまだ成長しているとは思えません。失敗も多く、尊敬する先輩農家を追いかけている最中です。
1年目、2年目は目の前の作業をこなすのに精いっぱいで、経営面や技術面、販路などを考える余裕がありませんでした。3年目に入って、経営について考えなおしたり、技術面で改善できるところがないか見直したりすることができるようになってきました。おかげで、収益は少しずつ上がっています。
就農後、道の駅の農産物共同直売所でも働いています。農業との両立は決して楽ではないのですが、八王子の農家の様子がわかり、勉強になることも多いので、できるだけ続けたいと思っています。
そこに出荷している農家の生産者組合の役員にも選ばれました。自分には荷が重いと一度はお断りしたのですが、「女性の視点を生かしてほしい」と言っていただいたので、引き受けることにしました。
一つは、ハウスの整備です。研修先の農家から譲っていただいたハウスがあるのですが、まだ資材を保管したままの状態で、建ててはおりません。時間はかかるかもしれませんが、少しずつ進めていきたいと思っています。
また、中東情勢で、資材不足や価格高騰も悩みの一つです。野菜や果物の鮮度を保つための防曇(ぼうどん)袋も入手しづらい状況が続いています。農家仲間で誰かが見つけた際にはまとめて購入して分け合うなど、協力しながら対応しています。
さらに、夏の猛暑も大きな課題です。2025年はパッションフルーツの3~4割が高温の影響を受けました。ほ場は水田地帯にあって水の確保には困りませんが、暑さ対策は欠かせません。今年からは盛夏を避ける栽培方法に取り組んでいます。早朝から始めて、いちばん暑い時間帯は長めに休憩を取るようにしています。
地域で雇用を生み出して自己の経営安定につなげていきたいと考えています。
経営理念として「農を通じて人々を笑顔に」を掲げていることもあって、人とのつながりを大切にしていきたいです。
食育にも力を入れていくつもりです。学校給食でパッションフルーツを使ったソースを提供していることもあり、夏休みのイベントに講師として呼んでもらえる機会が増えました。昨年は収穫体験にも参加していただいています。
小学校の校庭にパッションフルーツを定植する八王子のパッションフルーツ生産組合の取組にも携わっています。グリーンカーテンとしての役割を担いながら、実がなる様子を子どもたちに観察してもらうことを目的としています。
今後も、八王子産パッションフルーツの魅力を広く発信していきたいと考えています。そして将来的には、「八王子のパッションフルーツといえばMEDERUファーム」と思い浮かべてもらえるような存在を目指したいです。
アカデミーは非常に価値のある学びの場所です。栽培技術はもちろん、農業機械操作、経営、販売、マーケティングまで農業を生業として成り立たせるために必要なことを総合的に学ぶことができます。
本気で就農を目指している方にとっては、とても恵まれた環境だと思いますので、入講を強くお勧めします。
アカデミーで身につけた技術や知識はもちろん、それ以上に人とのつながりが何よりも財産になっています。
就農を考えている方は、楽な仕事ではないことを覚悟しておいたほうがいいと思います。
東京都は就農のための補助金制度も充実していて就農しやすい環境だと言えます。ただ、就農後にすぐ収入が得られるとは限りませんし、自然災害などで予定通りに進まないこともありますので、事前に資金は貯めておくことをおすすめします。自分ももっと貯めておけばよかったと後から思う場面がありました。
厳しいことも多いですが、これほどやりがいを感じる仕事はないとも思っています。作物を育てて初出荷したときの喜びは忘れられません。食べてくれたお客さまに「おいしかったよ」と言われたこと、地域の方たちに「農家の高齢化が進んでいるのにここで農業してくれてありがとう」と感謝されたこと、すべてが自分の宝です。